保険診療が
歯科医療をダメにしている。

そんな声が、あちこちであがっています。

保険外診療のほうが
患者にも歯科医院にもメリットが大きいという
声もあります。

保険診療は国がルールを定めています。

処置内容によって
「保険点数」が決められているわけです。

たとえば、
単純な虫歯治療なら273点となっているようです。

来院する患者1人当たりの保険点数は
平均500〜600点だそうです。

1点は10円と言いますから
一人当たりの換算金額は5000円〜6000円
ということになります。

そのうちの1〜3割が患者負担です。

一日の来院患者数を何人に設定すれば
採算がとれるのか計算します。

この段階で「医療」は、どこかに置き忘れ
「医業」としての採算をはじくことになります。

いい治療が出来るわけがありません。
医療より医業に目を向けなければならないのですから…。

出来るだけ
たくさんの患者を短時間で診なければ採算はとれません。
そして
何度も来院させるよう、仕向けなければなりません。

2〜3回で出来る治療を
6〜7回に分けて来院してもらい保険点数を稼ぐのです。

患者の満足度など関係なしに
保険点数をノルマのようにして治療するわけです。

歯科医にとっても満足のいく治療ではないはず。

その場限りの治療とわかっていても医院維持のために
目ををつむるしかないのです。

歯科医院は
開業当初から多額の投資が必要です。

若い歯科医は開業に当たって多額のローンを組みます。
組んだローンの返済は待ってくれません。

治療に使われる材料費や、
歯科衛生士・歯科助手・受付の人件費、テナント代、
光熱費、機器のメンテナンス費など、
歯科医院維持のためのコストは予想以上にかかります。

高コスト体質を、
保険診療でカバーしていくには患者数をあげていくしか
方法はありません。

余裕のない経営が
医療より医業に重きを置くようになります。

このような歯科医師は
経営コンサルタントにとっては格好の標的です。

まるでセール販売のような謳い文句で
患者にアプローチします。

ブラック歯科医院へのスタートです。

医療を忘れて医業を重視すれば
ブラック歯科医院にならざるを得ないのです。

日本歯科医師会の会長 山科 透さんは
歯科医師会の責務は、多くの歯を残し、
しっかりと口から食べることにより
「健康寿命」を延ばすことと言っています。

歯を失った方に対しては、
入れ歯等でしっかり噛めるようにすることと言っています。

しかし、保険診療では、それは不可能に近い、と
歯科医療に真正面から取り組む歯科医は言います。

保険外診療のほうが
患者にも歯科医院にもメリットが大きいという声は
正しい声でしょうね。

どうぞ、歯科医療に真正面から取り組む
いい歯医者に巡り合ってください。

では、また。ごきげんよう。